M-1裏話が伝える漫才師たちのカッコよさ

「M-1アナザーストーリー M-1グランプリ2020~漫才師たち激闘の裏側~」という番組をご存知ですか?

2020年12月20日にABCテレビ・テレビ朝日系列で放送された「M-1グランプリ2020」で、マヂカルラブリーが優勝したことは記憶に新しいでしょう。
この番組は、マヂカルラブリーや同大会で決勝に進出した芸人たちの裏話を密着インタビューと共に放送したドキュメンタリー番組です。

なぜ今回この番組を紹介するか単刀直入に言うと、

漫才師たちの熱い思いは本当に感動します

正直な話、見ていて何度も涙が出てきました。
元々自分が漫才師たちのその姿が好きなのはありますが、それでも誰でも感動できるのは間違いないと思います。

今回は、若干のネタバレを含みますが、番組内で取り上げられている各芸人たちのエピソードの中からマヂカルラブリーのエピソードをご紹介します。

アナザーストーリーの視聴方法

と、紹介を始める前にまず1つ重要な問題を解消しましょう。

どうやって見るの?

アナザーストーリーは2020年12月30日にM-1グランプリと同系列で放送されました。
ということは既に見れないのでは?と思う人がいるかもしれませんが大丈夫です。
M-1グランプリ2020の関連動画は全て動画配信サイト「GYAO!」にて一定期間アーカイブ視聴できます。
そのため、アナザーストーリーも2021年1月13日まで視聴できます。
記事の公開から視聴期限が短くて申し訳ありませんが、是非ご覧ください。
こちらからご覧になれます。

2つの絆の話

では、本題に入っていきましょう。

マヂカルラブリーは2007年に結成したお笑いコンビです。
ボケの野田クリスタルとツッコミの村上からなります。
2017年に一度M-1グランプリの決勝に進出していますが、結果は最下位。
上沼恵美子に辛辣な言葉を浴びせられたことで知られています。

マヂカルラブリーは優勝コンビだけあってアナザーストーリーの中でも長尺で放送されました。
そこで、特に自分が素敵だなと感じた2つのエピソードに絞ってご紹介します。

1.早く高みに連れてって欲しい

マヂカルラブリーはM-1グランプリ2017で決勝進出したことでそれなりの知名度を得ていましたが、コンビで十分にテレビの仕事があるほどではなく、劇場を中心に活動していました。
そのため、収入も満足な量はありませんでした。

そんな中、野田クリスタルが「R-1ぐらんぷり2020」を優勝しました。
R-1ぐらんぷりはピン芸人No.1を決める大会です。
ちなみに既に1回戦が始まっていますが、2021年大会からは大幅にリニューアルされる予定です。

R-1優勝により野田クリスタルはピンの仕事が増えました。
それは本人がTwitterで認めています。

つまり、コンビのうち野田クリスタルのみがそれなりの収入を得るようになりました。
これはコンビ格差です。
実際野田クリスタルはそれなりに裕福に暮らしており、良い家に住んでいる様子が密着で放送されています。
対照的に相方の村上は家賃3万8000円の共用アパートに住んでいます。
その差は一目瞭然ですよね。

アナザーストーリーでは村上に対してその点を聞いています。
すると、彼は全く気にしてないと言います。
野田クリスタルがR-1を優勝したことに対する感想も「ほらね」です。
それは、村上が野田クリスタルのピン芸を見て面白いと思いコンビを組んだ為です。
村上は野田クリスタルが1番面白いと信じています。
だからこそ、「早く高みに連れてって欲しい」とM-1前に言っていました。

この信頼こそがコンビであり、漫才師たちの熱意だなと感じました。
そして本当に村上を、マヂカルラブリーを、高みに連れてった彼らの絆に感動しました。

2.それは俺に死ねっていうことだな

野田クリスタルは三兄弟の末っ子です。
兄と父親は公務員、つまり安定した職業に就いています。
しかし野田クリスタルはお笑いに目覚め、高校在学中にお笑いコンビを結成しました。
そのため、実はM-1グランプリ2003から出場しています。
(M-1グランプリはコンビ結成から15年以内であれば芸歴に関係なく出場できます)

長い間芸人をしており、過去に「セールスコント」,「役満」,「アンビシャス」などのコンビをしています。
また、ピン芸人として活動した期間も長かったです。
ですが満足な結果はずっと出ていませんでした。
芸人の仕事だけでは食えないため郵便局でバイトしていた時期もありましたが、母親はそのまま郵便局員になって欲しかったと言います。
つまり、母親は兄や父親と同じく「堅実な仕事について欲しい」と思っていました。
しかしその旨を伝えると、野田クリスタルは「それは俺に死ねっていうことだな」と返したと言います。

野田クリスタルはお笑いに人生を賭けていました。
彼の発言はそれを象徴しています。
そして遂に彼はM-1グランプリを優勝しました。
親の反対を押し切ってお笑いをして、報われたということです。

ずっと認めていなかった母親に優勝を伝えるシーンがアナザーストーリーでは放送されています。
このシーンはアナザーストーリーの中で1番感動出来ました。

親の心理は当然「子供に幸せになって欲しい」です。
子供の夢を否定したい訳ではないですが、芸人はあまりにリスクが大きすぎます。
そこを心配していました。
だからこそ、野田クリスタルの成功を誰よりも喜んでいます。
更に母親は兄弟のエピソードを語ります。
兄弟は過去にマヂカルラブリーの話をしたことが無かったそうですが、M-1優勝後母親と共に優勝を喜び、それまでの活躍も見てきたと言います。この話を聞いて野田クリスタルは涙を浮かべ、言葉が出なくなりました。母親も兄弟だね、と兄たちに感心していました。

家族の絆がとてもリアルに描かれており、素敵なシーンでした。
決勝のネタが漫才なのか議論になるなど優勝後も苦難の多い野田クリスタルですが、応援したくなります。
ぜひ頑張って欲しいです。(えっ君何様?)

終わりに

如何だったでしょうか。
今回はマヂカルラブリーの2つのエピソードをご紹介しました。
僕はご紹介したエピソードを見て漫才師たちの熱い思いを感じましたし、感動させられました。そして応援したいと思いました。
その感動を少しでもお伝え出来たら嬉しいです。
しかしこれらはアナザーストーリーのごく一部に過ぎません。
もっと他のエピソードを知りたいと思った方は是非本編をご覧ください。
1時間以上にわたって全芸人のエピソードが描かれます。
また、GYAO!でアナザーストーリーに入りきらなかったエピソードを紹介する「M-1アナザーアナザーストーリー」が各芸人について随時配信されています。

正直な話、とても安っぽい文章,感想になってしまったと感じています。
しかし、やはり「感動した」以上の感想はありません。
それくらい素晴らしいものでした。

これがM-1チャンピオン決定から10日で放送されたと考えると、正直信じられません。
テレビの衰退はずっと言われていますが、これはテレビの力と言って間違いないと思います。

とにかく漫才師たちはカッコいいです。
何より、1つのことに全力で取り組む姿は見ていて美しいものです。
それを体現している1つがM-1グランプリであり、その彼らの裏話を知れるアナザーストーリーはM-1グランプリと同じくらい見る価値のあるものだと感じます。

最後に、アナザーストーリーで見取り図(本大会2位)のリリーが言った言葉を引用して終わります。
漫才が本当に彼らを虜にしていることを物語っているセリフだと思います。

なんでこんなに漫才にみんな本気なんですかね

『M-1アナザーストーリー M-1グランプリ~漫才師たち激闘の裏側~』にて

世界が大変な中M-1グランプリを開催してくれて、感動させてくれて、ありがたい限りです。

かりふぉるにあ
パッと見テキトーに見える記事ですが、本当にテキトーです。基本的に口語調です。割と何でも書きますが、趣味の範囲は数理科学とエンタメとアイドルあたりです。毎週月曜更新「かりふぉるにあからの挑戦状」毎週土曜更新「化学アレルギーへの処方箋」
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