本日より世界最古のトレーディングカードゲーム、Magic:The Gathering からカードを一日一枚紹介する、「M:TG 今日の一枚」という連載を始めます。Mtgに触れたことがない方にはプレイを始めてもらえるよう、すでにプレイされている方には暇つぶしになるような記事をお送りしていきたいと考えています。
基礎情報
では早速本日のカード、「Black Lotus」 について紹介していきます。
写真を見ていただければわかるように、Black Lotusは大変古いカードです。Mtgの最初のセット「リミテッド・エディション」とリミテッド・エディションの収録カードを一部修正した「アンリミテッド・エディション」にのみ衆力されているカードです。コレクターの財産を守る目的で、再録(=新しいセットにカードを復刻して収録すること)が禁じられている「再録禁止カード」の一つで、黎明期に存在した強力すぎる九つのカード、「パワー9」の筆頭として知られています。まずは性能から解説していきます。
Black Lotus マナコスト:0 アーティファクト 効果:{Black Lotusを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナを3点加える。}
専門用語が多く、難しいかもしれません。簡単に言えば、このカードを場に出して、生け贄に捧げる≒能動的に自らこれを破壊させることで、マナと呼ばれるカードのパワーの源になる力を好きな色で3つ加えられるというものです。このゲームでは、毎ターン1枚だけ出せる「土地」カードによってマナを生み出すのが基本となっています。そのため、ターン数と使えるマナが原則として比例していきます(1ターン目は1マナ、2ターン目は2マナ……)。しかし、このカードは使い切りではあるものの、爆発的に3マナも加えることができます。1ターン目から4マナのカードがプレイ出来てしまうということです。異常さが伝わりましたでしょうか。Mtgは基本的に同名カードを4枚までデッキに入れられるので、最初の手札にこれが4枚と土地が1枚あると、なんと1ターン目から13マナ使えるということになります。本当に意味が分かりませんね。ゲームの黎明期に、運営側もカードのパワーバランスを正確に評価できていなかったことが克明に伝わります。
Mtgには多種多様な遊び方が用意されています。Black Lotusは数多ある遊び方のうち、「ヴィンテージ」と呼ばれる禁止カードのほとんど存在しないフォーマットのみで、しかもデッキに入れられるのが1枚のみであるという制限が課されている中で使用可能です。(ドラフトと呼ばれる遊び方でも使用できますが、貴族の遊びすぎるので割愛……後述します。)こんなに遊び方の限られたカードなのに、値段は何と最高で……3000万?!次章で詳しく扱います。
超高額カード
リミテッド・エディションのうち、初版分を「アルファ版」と呼びます。(同様に第二版を「ベータ版」と呼びます。)生産枚数が少ないこと、出版が古く、保存状態の悪いものがほとんどであることから、アルファ版で状態の良いカードであると3000万円以上の価値が付けられることがあります。
(余談:そもそもリミテッド・エディションのパック自体が貴重です。先ほどちらっと出てきた「ドラフト」は未開封のパックを用意して行われる遊びなのですが、「ドラフト」でBlack Lotusを使うには、ドラフト用に大量にパックを用意し、さらにBlack Lotusをその中から引き当てないといけないのです……。貴族すぎる……。以上余談でした。)
再録が禁止されていることから、このカードがこれ以上生産されることもありません。Mtgが発展を続ける限り、Black Lotusの価値が落ちることはないでしょう。
最近このカードはあることが原因で話題を呼びました。なんと、世界に7枚しかないとされている「アルファ版」の「PSA10」(鑑定企業によって評価された、最上級の状態が保証されたカード)がオークションに出品されたのです!オークションの初日には一億円を超えるなどして大きく話題となりました。現在は3100万円前後となっています。結末やいかに。楽しみですね!(オークションサイトはこちら)
このあたりで本日のカードはおしまい。また明日!
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