なんだかとっても久しぶりな気がしていますが、一週間ぶりらしい。改めまして貫通錯誤です。少しタイトルが変わりました。というのも、記事のターゲットを絞りたいなというそういう意図があります。論文を書かない人でもレポートやら反省文やら感想文やら、学生の文章を書く機会というのは非常に多い!ので、ぜひ読んで役に立つところがあったら覚えてみてください。
では早速本日の内容に参りましょう。本日のテーマは文の長さ。気にしたことはありますか?
考えたことをそのまま文章にした時に文は長くなりやすいといわれていますが、どうかなと思って実際自分の書いた文章を振り返ってみると、驚くほどにその通りで、よく練って書いた文章は結構細かく文が区切られていて実際とても読みやすいのですが、あまり何も考えずに打った文章、特にやりたくもないようなレポートを振り返ると文の長いこと長いこと、本当にこれでもかっていうくらい長かったです。
お気づきでしょうが意図的に長くしてみました。読みづらいでしょ?ということで本編へどうぞ。
短文を制する。壱
偉そうに言っていますが、僕の文章は基本的に長めです。これでも長めです。短くするならこうなります。
読者はこう思っているだろう。貫通錯誤は短文を書けとしつこいと。ただ、僕の文章は基本的に長めだ。この程度でも長めである。
ちょっと例が悪かったような…。とにかく、僕の文章程度ではまだまだ改善の余地があります。なぜ短文にこだわらなければならないか。大きく二つの理由があります。一つは短文が書けないと長文も書けるわけがないからです。考えたことをそのまま文章にしていては、長文の山が完成します。ただ、ほとんどの場合、こうしてできた長文は駄文です。なぜか。読みやすい日本語を書くには、ある程度のスキルが必要だからです。スキルを養うにはまず短文から。それすらできていなくて長文が書けるわけありません。少し手厳しいようですが、簡単な短文から練習してみましょう。これがまず一つ目の理由です。
短文への意識は思考の整理に直結します。これが二つ目の理由です。何度も申し上げているように、思ったことをそのまま書くと長文が出来上がります。思考には明確な途切れ目がないからです。短文を書くことへの意識は、論理の再構築を必要とするため、思考の整理を助けます。
ここまで短文を書く意義を説明してきました。次章では短文の書き方、短文への直し方について扱います。
短文を制する。弐
ではいかにして長文を短文とするか。せっかくなのでトビログのライターにご登場願いましょう。最初に断っておくが、以下に挙げる文は「良い文」であると思います。少なくとも僕は良い文であると考えてこの記事に採用しました。そのうえで短文に修正するにはどうしたらいいか考える題材として扱わせてもらいます。
プレイヤーはこの企業の戦術指揮官及び鉱石病研究者である「ドクター(博士の意)」の目線で物語に関与し、この世界を救うための戦いが始まる…というのが簡単なあらすじです。
https://tobilog.net/1202/
まずはわいんの文章から。文字数にして82。そこまで長くはありません。長文である目安としては120文字くらいを基準にすればよいかと思います。うだうだいうのはこの辺までにして、この文章を短くしてやりましょう。いやしかしこの文章素晴らしいですね。主語の位置を示す助詞の「が」が文の後半部に来ていることで文の論理関係が明確になっています。本当に良い。
とにかく、短文にしましょう。短文への変換に伴うメリットは先ほど紹介しました。ではデメリットはあるのでしょうか。答えから言えばあります。短文にすると、文の数が増える都合上、文と文との間の論理関係がわかりづらくなってしまいます。そこで何を使えばいいか……指示語や接続語を活用しましょう。
この(原文ママ)企業の戦術指揮官、鉱石病研究者は「ドクター」と呼ばれています。プレイヤーはこの「ドクター」視点から物語に関与します。そして、この世界を救うための戦いが始まっていくのです。アークナイツのざっくりとした世界観、あらすじは以上のようになります。
「論理関係を示す」ための言葉が使われている部分に、アンダーラインを引きました。これ以上言うことないのでは……?論理関係がわかりやすくなりましたかね。煩わしさこそ出てきましたが、100人中98人くらいが正しく読み取れる文章になったのではないかと思います。信じています。
昨今はインターネットの影響による「若者のテレビ離れ」が叫ばれていますが、Twitterでのドラマ実況や考察をする人も存在し、ネットを通じてのテレビドラマ鑑賞も盛り上がってほしいと願っています。
https://tobilog.net/308/
続いてはかもにくの文章。全部で95文字なので、この文章も長すぎるということはありません。長すぎず、読みやすい文章ではあります。が、強いて言うなら「叫ばれていますが、」「存在し、」といったように文をつなげる表現が二度出てきています。厳密にいえば一度までがいいとされています。(難癖付けてるだけじゃん。読みやすけりゃいいだろ!その通りです。読みやすければいいのです。だからこの文章は校閲をクリアして記事として公開されています。読みやすければいい。でも、ちゃんとした理屈も紹介したいので難癖をあえて付けました。ゴメン。)
昨今、インターネットの影響による「若者のテレビ離れ」が叫ばれています。しかし、Twitterにはテレビドラマの実況や考察をする人であふれています。私はこうした「ネットを通じたテレビドラマ鑑賞」がもっと盛り上がってほしいと願っているのです。
このような感じでしょうか。逆説の意味を補うため、「が、」で切っていた部分には「しかし」を挿入しました。これ以外には指示語を追加しました。一度読み返してみて、言葉の「対象」がわかりづらい時には指示語を挿入しましょう。
制覇鍛錬~練習問題~
話は全く変わるのですが、Twitterにこのようなものが投稿されていました。
日本語難しいなと思ったそこのあなた。間違っていません。語順がばらばらでもいいからこそのむずかしさがあります。でもこのTweetのような事例も「文を整理する」ことで解決できます。長文を短文に直すときのように、文章を一度バラバラにして、整理してみるのです。ではここで問題。
問.上に引用したTweetについて、絵が示していることを的確に表現しなさい。ただし、「頭が赤い魚を食べる猫」以外の要素を含む単語は使ってはいけないものとします。
頭が赤い猫は、魚を食べた。
猫は頭が赤い魚を食べた。
猫の頭は、赤い魚を食べた。
赤い魚を食べたのは、頭だけ猫。(である人。これはさすがに厳しいように感じています。ていうか「頭が猫」ってなんだよ…)
魚を食べたのは、頭が赤い、頭だけ猫。(上と同じ。)
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