こんにちは!今回の「ある道を進んで」の題目は「音楽作成の道」です。「音楽作成の道」の歩き方についてrukakuさん(@mikuphile)に突撃インタビューをしました!
始めた経緯
ーー音楽を始めた経緯を教えてください
大学1年生の春(1年半ちょい前ですね)に高校の友人に誘われて、たまたま大学のDTMサークルの見学に行きました。そこで先輩方から説明を受けるうちに、「大学生活何か一つの事を頑張るならこれかもしれない!」と思ったんです。
自分はもともとボカロが結構好きで、UTAUという無料のボーカルソフトがある事も知っていたので、これならパソコン1つで全くお金をかけずに始められるぞ!と喜んでいた記憶があります。
それまで作曲という行為をしたことも無かったし、自分なんかができる訳が無いと思っていたのですが、あの時の友人の軽い誘いと、初心者大歓迎のサークルの雰囲気が結果的に僕の背中を大きく押してくれる事となりました。(ありがとうございます。)
音楽の遍歴について
ーーどのような音楽の遍歴(小さい頃にやっていた楽器や好きだた音楽など)あれば教えてください
僕は今まで楽器をやった事が無くて、親も特に音楽に関わりのある人ではありませんでした。しかし高校では合唱部に3年間所属し、3年では副部長などをしてかなり頑張って打ち込んでいました。
音楽理論の知識は全く養えませんでしたが、歌をずっと歌っているうちに単音でも和音でも音程を直ぐに理解出来る力が付いてきて、その力がいま100パーセント役に立ってくれています。(逆にその力が無かったら僕は1曲も生み出せなかったでしょう。)
好きな音楽についてですが、初めて自分から能動的に音楽を聴いたのは中3(2015年)の受験期で、当時いつも作業用BGMとしてモンハンやファイナルファンタジーのBGMを流していました。
しかし、ある日唐突に「千本桜っていうボカロ曲良かったな、ボカロとかいうのを作業用BGMにしてみよう」と思い立ち、YouTubeの100曲くらいでまとめられてる作業用ボカロを流してみたんです。その結果無事どハマりしました。
ボーカル曲の良さに目覚め、高校に入ってからは今まで音楽に触れていなかった分ボカロ以外でも「有名」とか「名曲」と言われているボーカル音楽をできる限り聴いていき、「なぜこんな良い曲を今まで知らなかったんだ…。」と毎日泣いていました。特に宇多田ヒカルやサカナクションのような音楽はあまりに独特で、とても衝撃を受けました。ちなみに一番好きなボカロPは一二三Pです。
作曲環境
ーーPCのスペックや商品名、DTMソフトに加えて使用しているプラグインなど教えてください
普段の作曲環境についてですが、去年の夏までは学校用に買った普通のノートPC1台で全て完結していました。しかし段々とプロジェクトの容量が増えていき、動作が重くなる頻度も増えていきました。その結果秋からデスクトップPCに移行したのですが、PC1台という点では変わっていません。
本当は部屋にMIDIキーボードやオーディオインターフェースなどの機材があった方がそれっぽくてかっこいいなとは思うのですが、MIDIキーボードは買っても弾けないし、僕の今の腕では高級なインターフェースがあった所で使いこなせる段階には無いと思っているので、無駄な出費は戒めています。PCのスペックですが、お店で売ってるPC換算だと大体15万円-17万円相当くらいでしょうか。DTMでは、cpuの性能もそこそこ大事ですが、メモリにだいぶ余裕を持たせておくことが重要だと個人的には思っています。
特にプロジェクトが重くなりやすいダンスミュージック系をやりたい方なら16GB、できれば32GBくらいあった方が良いでしょう。
使用しているDAWはStudioOne4 Professionalで、特に初めのうちに買った方がいいプラグインはiZotopeのOzone9 advancedというマスタリング用のプラグインです。今でもとても重宝します。
普段曲を作る時にしているルーティーン
ーー普段曲を作る際に行っているルーティーンがあれば教えてください
作曲中というか作曲前のルーティンですが、僕の場合単純にDAWを開く前に色んな好きな曲を聴いて頭を音楽モードに切り替えるみたいな事は良くしています。(本当に切り替わっているかは謎ですが…。)また、制作中のデモ音源をスマホの中に入れて散歩中に聴いたりもします。(最近は寒いので全く散歩できていませんが…。)この散歩をするという事は僕にとってとても大事な行動で、心身がリフレッシュされるだけでなく、机に向かっているだけでは分からなかった曲の問題点や改善点が外を歩いているうちに色々見えてきたりします。
また、作曲後は、完成音源をとりあえず3日くらいは寝かせます。後日その音源を改めて聴いてみると不思議な事に、完成直後には全く気づかなかった様々な問題がまた見えてきたりするので、これも作曲の重要な過程だと僕は思っています。
普段音楽を作っていく上での思考過程についてですが、僕の場合まず最初に4小節か8小節のループ全体が出来上がります。それは曲のパートで言う所のサビであったり間奏であったりまちまちですが、とりあえずその4小節ないし8小節を7割方完成させ、前後にひきのばしてゆくという発想で曲作りを進めていきます。
僕は「歌詞を先に書き、それに伴奏を載せる」だったり「歌詞と伴奏を同時に作る」といった事が出来ないので、歌メロ入れは割と1番最後の段階まで持ち越される事が多いです。それも、最初は「ラララ」で歌わせ、実際に歌詞入れをするのは他の全てが完了した後の最終工程です。
影響を受けている作曲家など
ーー影響を受けている作曲家などがいましたら教えてください
直接僕の曲調に影響しているわけではありませんが、今後こういう方向性の曲を作っていきたいという上での目標となる方は何人かいらっしゃいます。僕はギターが弾けないので一般的なバンドサウンドだけで曲を作っていくには限界があると思っています。
なので、今後は更にベースミュージック色の強い曲調にして行きたいと思っているのですが、僕がとても尊敬しているのは、有機酸さん、gaburyuさん、nyankobrqさん、hirihiriさん、D.wattさん、エハラミオリさん、yuzenさん、Kabanaguさん、Avec Avecさん、Aiobahnさん、サノカモメさんといった、シティポップやローファイヒップホップ的な雰囲気とFutureでプログレな雰囲気を融合させた曲を作れる方々です。(本当はもっといらっしゃるのですが、パッと思いついた方々だけ書かせていただきました。)
また最近はHyperpopと呼ばれる、ディストーションやサチュレーションを多用したボーカル曲のベースミュージックにおけるムーブメントもあり、そういった方面からも色々な要素を吸収していきたいと考えています。(もちろんボカロと言ったらバンドサウンドみたいな所もあるので、ギターの打ち込み練習とかも結構やってます!)
打ち込みか生かのこだわりについて
ーー「打ち込み」か「生」なのかあれば教えてください
僕はそもそも楽器を何も弾けないので全て打ち込みで音を作っているのですが、本来ギターやベース、ピアノなどは特に、弾ける方に生録音してもらった方が良い音と雰囲気、そして何より自分では思いつけなかったようなフレーズを産み出せると思います。
僕は近々ギターの練習を始めるつもりです。(つもりで終わらなければいいですが。)
これから音楽作成を始めたい人に一言
ーーこれから音楽を始める人になにか一言あればお願いします
まず音楽、特にパソコン上での作曲は、パソコンさえあれば1円もかけずに始められるという事を伝えたいです。高い機材やソフトはとりあえず何も要らないのです。(これは断言できます。)
そして無いもの(物でも時間でも能力でも)を無いと泣くのではなく、今自分が持っているものの範囲でどうやりくりして曲を生み出して行けるか、という発想でやっていくと長続きすると思います。(修行中の身で言うのもおこがましいのですが…。)
よく、ダニング・クルーガー効果という、知識量・経験量と自身の度合いの相関関係を表した曲線がどこかしこで取り上げられていますが、ある程度作曲をこなして行くと、多くの方の場合最初に持っていた自信が完全に消えそうになる瞬間が訪れる事と思います。(僕もそうでした。)
しかしこれは、自分の作曲に対する知見が増えた事によって、今まで気づけもしなかった自分の欠点にようやく気づけるようになった(気づけるだけの力を身につけた)という事の印でもあります。
僕は作曲に対して今の今まで自信というものを殆ど持てていませんが、「作曲に自分が向いているかいないかという事も、作曲をめちゃくちゃやり続けた先でしか分からない」という思いでゆる〜く頑張っています。みなさんも自分を傷付けない程度に、頑張り過ぎない程度にまずは1年、そして2年と、とにかく「続けていく」事を意識してみて欲しいです。
rukakuさんの最新の作品
最近出した曲(ニコ動・youtube)をぜひ聴いてみて下さい!アルセチカさんの動画がめちゃくちゃ素晴らしいことになっています。ツイッターも面白いしかわいい絵が見れるのでぜひフォローしてください!rukakuさんのTwitterはこちら
インタビューありがとうございます!!これからも素晴らしい作品待っています!
コメント