自主ゼミってご存知ですか?
これが果たして界隈用語なのか一般に通じる用語なのか把握していませんが、今回は自主ゼミとは何か、そのメリットは何か、をご紹介します。
自主ゼミとは?
自主ゼミはその名の通り「自主的に行うゼミナール」です。
では、ゼミナールとは何でしょうか?
ゼミナールとは、ゼミとも呼ばれる大学の授業形態のひとつです。
もう少し詳しく言うと、教授が主催し、そこに参加する学生たちと共に特定のテーマについて研究したり報告したりする、少人数クラスの事です。
一般に理系大学生は卒論前に研究室に配属されますが、同様のタイミングで文系大学生はゼミに入ります。
では、これを自主的に行うとはどういうことでしょうか?
そのままです。教授の代わりに自分たちで主催します。
多くの場合、個人で出来る範囲は勉強会になります。大胆な研究などは無理がありますからね。
主な流れは以下のような感じです。
①主催者が勉強したい内容or読みたい教科書を指定する
②同じ分野に興味がある人を募集する
③週1回くらいのペースで開催し、みんなで決めた範囲について話し合う
自主ゼミの具体例
具体的に見ていきましょう。僕は今2つのゼミをやっています。
A.物理化学ゼミ
まず、片方は1個上の大学生と2人でやっています。僕が「物理化学を勉強したいけどあまりモチベーションが上がらないのでゼミをやりたい」と提案し、教科書に「アトキンス物理化学要論」を指定しました。ここが①に当たります。
次に②ですが、今回の場合このステップは省略されています。仲良くて化学のレベル感が近い友人がその人しかいなかったので、直接誘ったからですね。しかしこの例は実は多いです。仲良い人とゼミをやることを決めて、その後に共通の興味を探すような方式です。僕もこの方式でゼミすることを決めてます。(相手の受験が終わってからなので3月以降になりそうですが)
最後に③です。基本的には毎週土曜日15:00からやっています。範囲としては1章を読むor章末問題を解く、にしています。つまり教科書を読む(=勉強する)回と章末問題を解く(=演習する)回が交互にあるということですね。
B.世界遺産ゼミ
もう1つのゼミは同級生2人とやっています。友人の1人が「世界遺産検定を受けよう」と誘ってきたので教科書は必然的に「くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト」になりました。これが①ですね。
次に②ですが、僕が参加したのは前述の「メンバーから決める」方式です。更にここに世界遺産に興味のある友人1人が参加しました。ちなみにその友人はここのライターの1人です。いつか世界遺産に関する記事を2人で書くかもしれないですね。
最後に③です。このゼミはやや頻度が高く、3日に1度開催しています。範囲は毎回1人1遺産プレゼンし、そのプレゼンのレジュメをB5用紙1枚にまとめています。なぜ頻度が高いかというと、1日1遺産のペースで進めていこうと決めたからです。代わりにこのゼミは1回の負担が非常に軽いため、やや特殊です。(前述のゼミは予習に3~5時間ほど、こちらのゼミは予習に1時間ほどです)
ここで、1つ注意しておきたい点があります。AのゼミとBのゼミの違いです。
Aのゼミは「2人とも予習し、予習した内容を擦り合わせる」ゼミです。
それに対してBのゼミは「教科書内の一部の予習を自分が担当し、一部はゼミメイツから解説を受ける」ゼミです。
次はメリット,デメリットについて解説していきます。
自主ゼミの形式とメリット,デメリット
自主ゼミのメリットは大きく2つあります。
①モチベーションが切れない
②分からなくても詰みにくい
まず①ですが、相手がいるのでモチベーションが切れません。
予習は課題と同じです。
予習をせずにゼミに臨めば絶対に無駄になりますし、場合によっては相手に迷惑が掛かります。
まず仲良い相手と約束していたら、堂々と破る訳にはいかないですよね。
だからこそ、絶対予習するんです。
また予習には期限がありますから、一定のペースで進めることが出来ます。
独学の場合モチベーションが切れれば勉強が進みませんし、ペースもまばらになります。
これは自主ゼミ最大のメリットだと思います。
次に②ですが、相手に相談できるので詰みにくいです。
独学の最大の危険は「詰み」です。
分からなくなった時、停止してしまいます。
もちろん優秀な知り合いに聞けばいいのですが、いない場合もありますし、何より自分のレベル感と確実にギャップが生じます。
ですが、自主ゼミであれば相手がいますから、分からなければ頼ればOKです。
お互い分からずとも、皆で考えることで閃く場合もあります。
そのため、独学に比べて明らかに詰みにくくなります。
これも大事なポイントですね。
デメリットも紹介しておきます。と言ってもあまり大きなものではないですが…。
自分のペースで進められない
これは場合によっては障害になると思います。
なぜなら、自分のモチベーションが非常に高い時でもゼミのペースでしか進まないからです。
しかし、個人的に「モチベーション高くどんどん勉強できるときに自主ゼミは不要では?」と考えています。
実際自分は自主ゼミ以外にも独学で何冊か専門書を読んでいますが、これらは自分でゴリゴリ進められるモチベーションがあるからです。
つまり、場合によって使い分けることで自主ゼミのデメリットはあまり感じないと思っています。
では次に前節で挙げた各形式のメリット,デメリットを説明します。
状況に応じて適切な形式を採用すればいいかと思います。
今後は前節のA,Bという言い方を使います。そこで改めて確認しておきます。
ゼミの形式 | |
Aの自主ゼミ | 2人とも予習し、予習した内容を擦り合わせる |
Bの自主ゼミ | 教科書内の一部の予習を自分が担当し、一部はゼミメイツから解説を受ける |
A形式
A形式のメリットは
全範囲しっかり勉強できる
当たり前に思うかもしれませんが、これはB形式と比較するとメリットです。
全ての範囲を予習しますから、基本的に「分からない範囲を確認しあう」ゼミになります。
しっかり学びたいけどモチベーションが…、という場合に適していると思います。
Aの形式のデメリットは
予習が多い
これも当たり前に思うかもしれませんが、B形式と比較するとデメリットです。
毎回のゼミに予習していかなければなりませんから、普通に大変です。
しかしB形式と比較してデメリットなだけであって、独学であれば同じ量ですから、そこまで気にしなくても大丈夫だと思います。
B形式
B形式のメリットは
予習の負担が少ない
A形式のデメリットとして予習が多いと言いましたが、B形式は自分の担当部分のみの予習で大丈夫ですから、全体量を人数で割った量しか予習量がありません。
これは非常に楽です。
自分の担当部分に関しては他の人が読まずとも学べるようしっかり予習する必要はありますが、授業の感覚で多くの範囲を学べるのは大きいです。
自主ゼミの形式としてはB形式の方が多いかと思いますが、この理由はここに由来します。
B形式のデメリットは
理解度にムラが発生する
なぜ?と思う人がいるかもしれませんが、これは考えてみると当たり前です。
「自分が他人に説明するために勉強して得る理解度」と「人から説明を聞くことで得る理解度」は明らかに等しくありません。
つまり、自分で予習した部分のみ詳しくなってしまいます。
有機的に繋がっているような内容であれば自分が予習する際にカバーされるのであまり気にならないかもしれませんが、独立している内容であればムラが発生することは避けられません。
しっかり人の説明を聞くようにしましょう。(そういう解決法??)
これがどれだけ正しいか分かりませんが「相手の説明の穴を全力で指摘する」ようにしている人たちの話を聞いたことがあります。そうすることで自分は指摘されないようにしっかり予習しますし、相手の話は指摘できるように集中して聞きます。
仲が充分良ければこの形式を採用するのもありかもしれません。
当然責任は負いません。
自主ゼミ継続のコツ
最後に1つだけ自主ゼミを続けていくコツをご紹介します。
これは自分も人に聞いたことであり、意識していることです。
それは
予習を減らしてでも定期的に開催する
忙しくて満足な予習が出来ない週や満足にゼミの時間を確保できない週もあるかと思います。
これは仕方ありません。
ですが、それを理由に自主ゼミをその週に行わないのは好ましくありません。
自主ゼミ最大のメリットは前述のとおりモチベーション維持です。
相手の顔を見ることでモチベーションは回復します。
一種の義務感が発生するということですね。
ですから、予習の量を減らしてでも、ゼミの量を減らしてでも、定期的に開催することが重要です。
終わりに
如何だったでしょうか。
自主ゼミを知らなかった方でも、この記事を読んで興味を持ってくださったら嬉しいです。
自主ゼミは1つの勉強法として非常に捗ります。
「学びたい意思はあるけどいざやろうと思うと億劫に感じてしまう」という方は特に向いていると思います。
今回はこれで終わりたいと思います。
真面目で長い記事でしたね。
是非勉強生活を充実させてもらえればと思います。