先週よりお送りしている『隔週シャドバ雑感』、今週はアンリミテッド編になります。アンリミテッドもETA以後、環境が多少変化しました。今週はその話題から。
ETA以後のアンリミ環境
ETAでの目玉カードは何だと思いますか?十天衆?いいえ、ナイフトリックです。
ナイフトリック ウィッチ スペル コスト:1 効果:相手のリーダーか相手のフォロワー1体に1ダメージ。 このスペルブースト が5回以上なら、ナイフトリック1枚を手札に加える。それは「自分のターン終了時、自分の手札のこれを捨てる」を持つ。
簡単に効果を解説します。ナイフトリックはスペルブーストによるおまけがついたエンジェルスナイプです。スぺブが5以上でターン限りですが二度打つことができます。エンジェルスナイプはいつでも打てる点で評価の高かったスペルですが、唯一ともいえる弱点が、使い切りであるために手札を消費してしまうことでした。その点、ナイフトリックは「手札を消費する」点では変わらないものの、「カード1枚でスペルブーストを2回以上行える」可能性があります。ターン限りですが実質的にカードアドバンテージを失わずに打てるエンジェルスナイプが弱いわけありません。拍車をかけるように、こんなカードも追加されました。
石英の魔女 ウィッチ フォロワー 2/3 コスト:5 効果:スペルブースト コスト-1
ファンファーレ カードを1枚引く。スペルブースト を1回行う。
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スペルブーストの概念は完全に壊されました。アンリミテッドのプールでは、運命の導き、カオスウィザードに次ぐ三種類目の5コストで「スペルブースト コスト-1」を持つカードです。カオスウィザードこそ例外的ですが、これらのカードは比較的早いターンに0コストになりながらスペルブーストを加速させるため、デッキの回転を大幅に上げることができます。運命の導きと比べると、石英の魔女は1ドローしかできないため回転の観点からするとどうしても効率は落ちますが、「手札を増やさずに打てる」「3コスト相当の2/3スタッツで圧をかけられる」点は無視できないメリットとなりえます。(アンヴェルトのことは忘れてください。)
ということで二枚の強力な実質スペルカードをもらったウィッチクラスは、その立ち位置を大きく上げました。疾走ウィッチも数を増やしましたが、大躍進を遂げ、大きくインパクトを与えたのが超越ウィッチです。
水晶の魔剣士 ウィッチ フォロワー 3/3 コスト:3 効果:ファンファーレ スペルブースト を1回行う。自分のデッキが20枚以下なら、1回ではなく5回。
新型の超越ウィッチには水晶の魔剣士がフル投入されることが多くなっています。6Tまでに山札の枚数を20枚以下にすることで、水晶の魔剣士を6Tに2連続で出し、そのまま超越につなげる動きが非常に強力なためです。6Tというのは現在Tier1に位置するスカルフェインビショップのキルターンよりも早く、微有利が取れます。AFネメシスに関しても、シオンによる強力な盤面を返すことさえできれば勝てるため微有利であるといえるでしょう。現在非常に良い立ち位置にいるのがこの超越ウィッチです。
となると、当然この超越ウィッチをメタったデッキが登場します。それが前述した疾走ウィッチです。疾走ウィッチは疾走フォロワー三銃士である、刃の魔術師、双刃の魔剣士、真実の狂信者をフル投入することの多いデッキで、次元の超越が唱えられる前の決着を目指した形です。今までのアンリミでも「超越がはやる⇒疾走がはやる」というムーブメントが幾度となく発生してきました。それです。強力なデッキではありますが、超越ウィッチが決意の預言者、ルーニィという強力な回復手段を持っている点が不安要素となります。リーサルプランがずれやすいためです。
また、自傷ヴァンパイア(ローテでいう「狂乱」にあたりますね。)も強力なデッキです。煉獄のダークナイトを得たことで防御性能を高めることに成功しています。フラウロスの早期召喚は勝負を決める力がありますし、姦淫の絶傑・ヴァーナレクの存在が非常に大きいといえます。何といってもあの双砲の神罰・アンヴェルトを除去しながら疾走できる点が強力です。不安定さはありますが、バーン手段も多く、非常に危険なデッキです。
もちろん、ほかにもメタったデッキは多く存在します。天下のスカルフェインが黙っているわけありません。教会スカルフェインビショップです。頂きの教会や包み込む願いを採用しているのが特徴的で、体力の高い疾走フォロワーを大量展開しつつ、アンヴェルト、メルティングシュガー・セリーナや、パニッシュメントスナイパーによるバーンダメージによって勝負を決するデッキです。なぜか追加されてしまった炎の握撃の上位互換みたいなスペルである浄化の鉄槌は、理不尽なファッティ展開への対処をも可能とします。リーサルターンも早く、最も環境に適合したデッキであると思います。
今週のデッキ選択
アンリミテッドってシャドバで一番カードゲームらしいと思うんですよね。実は環境に流動性があるからです。信じられませんか?信じてください。メタゲームで上位を構成しているデッキが必ず不利対面を持っているために、毎週毎週で選択すべきデッキは変わっていきます。ということでこのコーナーは今週ランクマを走るあなたにお届けするデッキ選択のすゝめ!となっております。
本題に。今週使うべきデッキはズバリ……教会フェインでしょう。安定感が明らかに他のデッキと違います。明らかに。もちろん手札の噛み合いから事故気味になることもありますが、ウィッチのそれとは比較になりません。しかもアンヴェルトを用いたミッドレンジプランが強力な以外に、序盤から森の参謀・ムニャールで攻勢をかけるアグレッシブプランもとることができます。環境に今後増えることが予想されるアグロデッキについても、アンヴェルトやパニスナといった豊富な守護や、セリーナやカームフェザーフォルクによるライフゲインがあります。明確な不利対面のない、正真正銘の最強デッキであると言えます。
∞-アンリミテッド- デッキ紹介
∞-アンリミテッド- デッキ紹介は、いわゆる地雷デッキの紹介コーナーです。地雷といっても侮れないデッキが多いのがアンリミテッド。今回紹介するのは………乗り物ロイヤル!
今名付けました。乗り物ロイヤルとはニュートラルフォロワーを中心に採用することで兵士を舞い踊る刃・ディオネに限定する構築です。それを老練なる教鞭でサーチすることで、抜刀術と組み合わせて早期キルを狙うデッキ……なのですが、もう一つの仕掛けがあります。それは、リジェネレーター・ラインハルトの育成ゲームです。この育成ゲームとは、放浪する料理人の進化時効果によって場に出る魔導装甲車と組み合わせると体力が9になる点を活かし、除去が非常に困難であることからそのまま詰みに持って行かせるプランのことで、このプランこそがこのデッキを地雷たらしめています。昔流行ったペインレスサムライ育成ゲームに似ていますね。さらにもう一つ別のプランである、レヴィールの無法者を用いたアグロプランを搭載したデッキもあり、可能性は無限大(∞-アンリミテッド-)です。実際の強さはというと……はまったときの太刀打ちのできなさは異常で、対戦相手に非常に悪い印象をもたらします。一方で実際に使ってみると回りきらないことも多く、不安定な印象を受けました。しかも、ラインハルトは確定除去1枚で、ディオネも守護1枚で止まってしまうため、庭園ダゴンとの力の差があるなとも感じます。とはいえまだ強化の余地のあるデッキであり、今後が楽しみというか不安というか……アンリミテッド環境では久しぶりのロイヤルデッキでしたね!
今週はこの辺で。また再来週!