時代と逆行して愛され続けるレコード

時の流れとともに技術革新が進み、様々な便利なものが現れた21世紀。衣食住にとどまらず娯楽のためのテクノロジーも発達した結果、人々の暮らしはとても豊かなものになりました。

代表的なもので言えばカメラ、テレビ、スピーカー、ゲーム機。その気になればいくらでも挙げられます。それほど技術は私たちの娯楽を発展させたのです。娯楽用途のメカが高機能化・小型化したりしたことは私たちの日々の利便性、ひいては満足度を高めました。

しかし、この利便性の追求の果てにあるこの世界で、一部の人々が好んで使う「不便なもの」が存在します。その代表例がレコードです。

そもそもレコードって何?

 そもそもレコードとはなんでしょう?黒い盤上の形で、クルクルと回って音楽が流れる様子を思い浮かべた人は少なくないはずです。しかし、その原理までも理解している人はあまり多くないのではないでしょうか。

レコードは元々19世紀にエジソンが開発した、フォノグラフというものを起源として出来た音楽再生機器です。フォノグラフは現在のレコードと似たように細長い円のような形をしており、この円の上に針で外から中に徐々に入っていくように傷をつけることで音を記録しています。

そしてプレイヤーはその逆に、針で傷を読み取ることで電気信号を認識し、対応した音が鳴るようになっています。レコードは基本的にはこのフォノグラフと同じ原理で動いています。

なぜレコードは愛されるのか

先程お話ししたようにレコードの基本的な構造は19世紀に発明されたものが基本となっています。しかし、ハイレゾの高音質の音楽に手軽に触れることができる現代において、わざわざ場所も手間も必要なレコードを集める人々は後を絶えません。

なぜなのでしょうか?

もちろんレコードにはレコード特有の良さがあります。レコードはそもそも飾って置くだけでも「映え」ますし、電子データだと普通消されるような音もありのまま全て記録されてあるので高音質で聴くことができます。

しかし、そんな理由で人々は動くのでしょうか?レコードを聞くために必要な機材のコストはとても高いですし、一枚一枚のレコードの値段は中古で1000円はかかります。

それでも、日本の音楽市場の1%以上をレコードだけで占めているのです。1%だけか、と思う方もいるかも知れませんが、これはとてつもなく凄いことなんです。百何十年も前の技術がそのまま今でも売れているわけですから。

レトロだからこそ愛されるレコード

レコードは若年層に流行っています。とても興味深いですよね。

筆者も率直に疑問だったのですが、どうやら若者の間で現在昔のアナログなもの全般が流行しているようなのです。

特に銭湯や喫茶店などは趣味として確立されるに至るほど若者の間で広く受け入れられているようです。このようにレコードが愛されている理由は「古いから」という理由が強いのですかね。

古いものやアナログのものには先人達の痕跡が何かしらの形で残っていると思っております。今の若者はデジタルでのやり取りが中心に行われており、どうしても人の温度というものから離れがちになっています。

それを無意識のうちに埋めるためにレコードや銭湯などのなんかしらの「想い」を感じることができることを求めているのでしょうか?

いずれにしてもレコードには人々を惹きつける不思議な魅力があることは確かですね。いつか私も自分でレコードを購入して聞いてみたいものです。

Toshiki

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