「自由律俳句を楽しむ会」 第4回結果発表 皆さんからの感想編

概要

自由律俳句を楽しむ会第4回の結果発表です。
自由律俳句を楽しむ会について、また第4回の概要についてはこちらをご覧ください。https://tobilog.net/7506/

また、今回はよりよい自由律俳句を楽しむ会の形を模索すべく皆さんからの感想を募集しました。その感想に関する記事はこちらをご覧ください。
https://tobilog.net/8010/
ちなみに今回のお題は「学校」でした。

結果発表

順不同です。順位はつけていません。
文量の違いも作品の優劣に関係ありません。

まず以下はみなさんからいただいた感想です!

教頭まで話しはじめた
(白とり貝 さん 31歳)

☆校長で終わりじゃないの?!とツッこんだ日、思い出しました。
☆やっと校長の話しが終わったのに教頭まで話し始めたという、全校集会の落胆が浮かびます。

美術館準備室で胸像とランチ
(おのぎのあ さん 29歳)

☆ちょっと切なくて笑える。大好きな作品です。
☆いい青春を過ごしているナァと思う。美術というのがいい。昼休み、食事を取りながら胸像と向き合っている。これが科学室だと急に印象が変わる。アートな雰囲気と青春の秘めやかな爆発がいい。ところで美術館準備室というのは美術準備室のことと解してよいだろうか。

・ひとつひとつ傘が閉じられ君を見つける
(中村まふゆ さん)

☆恋についての素晴らしい描写の句だと思います。
☆登校の風景かしらん。”ぼく”はどこに居るのか、一足先に来て昇降口で傘のつゆを払っているところか。教室の窓から、君を待っていると解してもいい。いずれにしても、君を探す僕の目がひとつひとつの傘を追う目線が良い。
☆好きな人を思う気持ち、傘がゆっくり雨の中閉じられて校舎へ入って行く、君は何色の傘でどこにいるんだろう、想像力を掻き立てられてすごく好きでした。

・強ばる肩に白いカーテンふわり
(宥樹 さん)

☆学生の繊細な感情と、寄り添うようにかかるカーテンの対比が素晴らしいです。
☆この作品を詠んだとき、どこか心地よい感覚になりました。どういう情景を描いたのかがとても気になります。

・好きな子が好きな髪型になった
(気がかり百個 さん)

☆青春の、それはある意味では押し付けの勝手な願いだとわかっているのだが、このようなわがままが叶ってしまったときの、小躍りする気持ちが抑えきれずに漏れ出している。私はといえば、きれいな濡れ羽の明るくなってしまい、とでも詠いたくなるような、そういうことのほうが多かったかもしれない。

もう少し学びたかつた暗き廊下を歩く
(ゆりのはなこ さん)

☆暗き廊下、をどう解するか。卒業の日のさよならの廊下だろうか。それとも、なにか事情のある私の、陰鬱とした様を描いているのか。いずれにしても暗き廊下が魅力的だ。ニスの聞いた板張りか、リノリウムか。いずれにあっても、その風景が学校をいまに引き寄せてくる。

校内が世間だった
(あつし さん 30歳)

☆これ以上足すことも、引くこともできない。 素直な青春の吐露である。尤も、おとなになっても、逃げ場を持たない人もあろう。 ある意味ではこのような句がある、ということが救いでもあろうと思う。
学生時代を思い出します。懐かしいです。

僕のつぶやき

皆さんこの度は素敵な感想のご投稿ありがとうございます。記事の都合上応募してくださった感想をすべてを掲載できたわけではありません。しかし、こうしていろんな方の感想を見ることで、より自由律俳句の創作を楽しめると感じました。これからもこの形の自由律俳句を楽しむ会を継続していきます!


さて、ここからは今回寄せられた感想の1つについてちょっとお話させていただきます。以下が届いた感想です。(編集の都合上一部表現を変えて掲載しております。)


ほとんどの作品に散文ぽさを無くそうという意識は感じますが、それでも面白さやユーモア等を念頭に何かうまいことを言おう、あるいは何かの訴えを言おうとし過ぎていて自由律俳句の形について疑問を感じました。

この感想が伝えたいことがわかる気もします。自由律俳句といえば何でもいいというわけではありません。俳句として作ったつもりがいわゆる「あるある」になってる作品になってしまうケースもあります。ただ僕は、 作品の良し悪しだけでなく、この句を作った人が何を伝えたいのかを考えることに楽しさを見出していけたらいいなと思っています。
といっても、やはりみんなで良い作品を作っていけるようになりたいものです。これはあくまで僕のスタンスとアドですが、僕は俳句の中で奥行きが感じられる作品こそががいい作品だと思っています。そのため作品を作ったあとに、これは何のどういう感情や景色を伝えたいのかを改めて考えるべきだと思います。そのうえで直接的に説明しすぎていないか、逆に読み手に寄り添っていないかを検討することが必要なのではないでしょうか。(また次の記事で具体的に言語化します。)

次回の記事について

次回は皆さんからいただいた作品に対する僕の感想・講評の記事を掲載します。
今後ともよろしくお願いいたします。

荒川
荒川です。大学生です。自由律俳句とエッセイを募集し、恐縮ながら感想・講評を書かせていただいています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました