タイトルの通りです。新連載を始めます。
この連載では、アイドルとラジオの関係性について見ていきます。
ラジオ離れを超えてテレビ離れが進む現代ですが、実はまだ多くの芸能人がラジオ番組を持っています。
その中でもアイドルにフィーチャーしていこう、というのが趣旨です。
何故アイドルなのか?決まってるじゃないですか、ライターが好きだからですよ。
「かりふぉるにあよ、お前連載ばっかりじゃないか?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、この連載は共著です。
まぐろかもにくとかりふぉるにあの2人で書きます。(隔週シャドバ雑感の分担方式とは違い、全ての回において2人で書く予定です)
どんな連載か、最低限の説明は済んだと思うので次に行きましょう。
以下が予定している前半の流れです。(何回やるか未定ですが、短期連載を予定しています)
- 2021年のラジオを考える
- ジャニーズとラジオ
- 坂道アイドルとラジオ
- アイドルと文化放送
第4回で扱う文化放送はラジオ局の1つです。
(かりふぉるにあがラジオオタクなのもありますが)ラジオ局には注目していきたいと思っています。
詳しくは次回以降説明します。
そして初回の「2021年のラジオを考える」では具体的にどのような内容を扱うかですが…
初回はアイドル出てきません!
初回からアイドルを登場させても良かったのですが、ゆっくり始めていきましょう。
今回は2021年現在、ラジオは社会的にどういう立場にあるのかを説明していきます。
前置きが長くなりましたが、この連載の方向性まで説明できたので始めます。
ラジオ聴取率の低下
早速ですが皆さんはラジオを聴きますか?
多くの人はNOと答えると思います。
次のグラフをご覧ください。
グラフはラジオのリスナー層の高齢化、つまり若者のラジオ離れを物語っています。
そして恐らくこれは多くの人にとって直感的に理解できることだと思います。
テレビに加えて、各種サブスクリプションサービス、YouTube等の動画配信サービスが普及した今、ラジオは日常の一部でなくなっています。
1人のリスナーとしては残念ですが、これは間違いないことです。
実際、全世代平均でもラジオ聴取率は男性で6.6%、女性で4.0%と低い値を示しています。
「データでみるラジオの聞かれ方」には、次のような記述があります。
日本において1925年に放送が始まったラジオは,徐々に人々の間に普及していき,1940年には受信契約数は500万を超えた。契約数は1944年には747万となり,戦後の混乱期に538万まで減少したが,その後再び増加し,1949年には800万に達した。1950年代には民放ラジオが次々と開局し,1958年には受信契約数がピークに達する(1,481万件)。(中略)しかし,この家庭における総合メディアとしてのラジオの機能は,1953年に始まったテレビ放送に取って代わられることになる。(中略)1960年には1時間34分だったラジオ聴取時間は,1965年には27分と大幅に減少し,テレビとラジオの視聴時間量が逆転した。
星暁子.データでみるラジオの聞かれ方.7,8ページ
つまり、テレビの台頭によりラジオは時代を追うごとに衰退していっており、それは世代別という短いスパンで見ても言える変化だと分かります。これがラジオの現状です。
しかし、本当にラジオは衰退する一方なのでしょうか?
次節ではラジオ界に起きた革命をご紹介します。
radikoの誕生
ラジオ界に起きた革命、それはradikoの誕生と普及です。
radikoとは、2010年4月にスタートした日本のラジオ放送をインターネットで同時に配信するサービスです。スマートフォンのアプリでもパソコンのブラウザでも利用でき、アカウント登録をすることなく使うことができます(有料会員の機能はあります)。
ブラウザ版radiko:https://radiko.jp/
radiko最大の特徴は「タイムフリー」と呼ばれる、最大7日前の番組を好きな時に再生できる機能です。
例えば1月1日曜の22時から23時に放送された番組を聴き逃してしまったとします。本来であればその番組はもう聴くことが出来ません。しかし、radikoのタイムフリー機能を使えば、1月8日まで好きな時に聴きはじめることが出来ます。なお、タイムフリーは聴取開始から24時間以内に3時間分のみ聴取可能という縛りを持ちます(下図)が、テレビの録画のような機能であると言えます。
タイムフリーに加え、radikoには「エリアフリー」と呼ばれる機能があります。
エリアフリーとは、そのラジオ局の放送圏外であっても聴取可能になる、すなわち、所謂「地方の壁」を取っ払うことができる機能です。テレビで言えば、東京都でテレビ北海道の番組を見れるということです。テレビ北海道の番組に興味があるかは置いておいて、これは間違いなく革命です。
ラジオは地方にも人気番組が多いですから、それを簡単に聴けるのは嬉しいですよね。ただしエリアフリー機能は有料会員のみの機能です。
以上のように、radikoはラジオの聴き方を大きく広げたと言えます。実際、ユーザー数は以下のグラフが示すように右肩上がりです。
Twitterとラジオ
radikoほどとは言わずとも、Twitterもラジオの新たな可能性を広げるポテンシャルを持っています。
近年はインターネットひいてはSNSが広く普及しました。インターネットが可能にしたリアクションメールが番組のリアルタイム性を上昇させるとともに、SNSの中でも言葉を「つぶやく」よって一般ユーザーによる匿名での情報発信を可能にしたTwitterはラジオの盛り上がりを可視化しています。ラジオリスナーが番組のハッシュタグ(#菅田将暉ann、#annkw、#レコメン 等)をつけてTwitterでつぶやくことによって、顔すら知らないリスナー間での楽しさの共有がリアルタイムで行われるとともに、時たま生じる「バズり」によって普段ラジオを聴かない層へのアプローチがなされます。
ニッポン放送の看板番組であり、今をときめく著名人をパーソナリティに迎えて放送される「オールナイトニッポン」のプロデューサーはTwitterによるラジオ聴取への正の影響を指摘します。
ハッシュタグの中でバズっているツイートを見ると「あ、昨日こんなので盛り上がったんだ」や「こういうことがあったんだ」とか、なんとなく可視化される。ラジオって可視化されないのが弱点だと思っていたので、Twitterで文字として見られるのは大きいです。
実際「ANN」「ANN0」は深夜のリアルタイムでもかなり聴かれていますが、翌朝の6、7時台の通勤、通学の途中で聴いている人が多くて、深夜の何倍も聴かれているんです。
「オールナイトニッポン」の仕掛け人・冨山雄一が語る「ラジオが作るコミュニティの魅力」(https://tokion.jp/2021/01/27/the-instigator-of-allnightnippon/)
このように聴覚のみで楽しむ娯楽だったラジオが、SNSという全く別のプラットフォームを通じ、リスナーの手によって、視覚的にも盛り上がりを見せるようになりました。
ここまで現代ラジオの現状を説明してきましたが、少しはラジオの可能性を感じていただけたのではないでしょうか。ラジオはまだまだ終わりではありません。radikoの誕生やリスナーよるTwitter利用より新たな可能性が見えてきています。そして去年(2020年)この流れに追い風が吹きました。
次節では遂に”2021年のラジオ”に迫っていきましょう。
ステイホーム with ラジオ
2020年は世界中で新型コロナウイルスが流行し、日本国内でも「ステイホーム」「不要不急の外出を控える」などが叫ばれ、室内の生活の質の向上が求められました。実際読者の中にも家の時間が増えた、何か新しい家の中で出来る趣味を始めた、という方がいらっしゃるんじゃないでしょうか。
実はラジオはステイホームの影響を大きく受け、その聴取率を大きく高めました。
以下の2つのグラフをご覧ください。
どちらもビデオリサーチの計測した結果ですが、ラジオリスナーの増加を顕著に表しています。ステイホームで時間が増えた分、作業の合間にラジオを流す方が増えたようです。元々ラジオは作業中に片手間で聴けることが大きなメリットですから、これは当たり前だとも言えます。
しかし前々節でご説明した現代ラジオの現状を考えれば、これはとても良い傾向であると分かります。
実際かりふぉるにあも学校の一斉休校以来ラジオを聴く時間が増えました。
これがラジオに吹いた追い風です。
radikoの台頭により近年段々とリスナーを獲得していたラジオは、コロナ禍で更にそのリスナーを増やしていっています。つまり、“2021年のラジオ”は期待できると言えます。
2020年11月27日に発売された『人気ラジオ番組完全ガイド 2020-2021』の新刊の発売が既に決定していることも、ラジオブームの兆しを象徴しているのではないでしょうか。
終わりに
如何だったでしょうか?”2021年のラジオ”は今どのような状況なのか説明してきました。
最後に紹介した『人気ラジオ番組完全ガイド2020-2021』には「ブームの第一次ソース、ぜ~んぶラジオ説」「史上空前のラジオブーム」などとあります。筆者はこんなことを言える程までにラジオ聴取がメジャーになりつつあるのかと嬉しい思いを抱くとともに、これからのラジオのさらなる成長に期待するばかりです。
今回は本旨からあまりにズレるからという理由でラジオの魅力には触れませんでした。
またいつの日にか書きたいですね。
さて、そろそろ忘れられていそうですが…
この記事は連載の#1です!
次回からはアイドルの話をします!
ということで、次回はジャニーズが担当するラジオ番組を整理しつつ何か考察できればと思っています。
是非次回もご覧ください。
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