こんばんは。貫通錯誤です。カード名が日本語になりましたね。これが何を意味しているか分かりますか?
前回までの記事に出てきたカードは、どれも「再録禁止」カードでしたね。Mtgの初版は英語でしか作られなかったために、当然日本語名もないわけです。そして再録も禁止されていますから、二度と日本語名がつくことはありません。ただ、「Lightning Bolt」は再録禁止カードでないためにのちに再録された際に「稲妻」という名前が付けられました。
はずなんですが、実は「Magic: The Gathering Arena」というデジタルでMtgを楽しめるゲーム内にて、パワー9の一部が使えるイベントが開催されたことがあります。その時にパワー9の一部はそれぞれ日本語名を(一応)もらっていたのです。Ancestral Recallは「祖先の回想」、Black Lotusは「ブラックロータス」。うん。
話がそれました。今日のカードに移りましょう。こちらです!
稲妻 マナコスト:(R) インスタント 効果:{クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。}
アンリコと同様にテキストが美しすぎますね。Mtgの名言に「テキストが短いカードは強い」とあります。稲妻英語版のテキストは”Lightning Bolt deals 3 damage to any target.” しびれますね。
効果を解説しましょう。1マナという圧倒的軽さで好きな対象に3点のダメージを与えることができるカードです。クリーチャーというのは攻撃ができ、体力を持つ、場に出せるタイプのカードです。プレインズウォーカーも似たような感じで(全く似てませんが。詳細は今後の連載で!)体力に似た値である「忠誠度」という値を持ち、場に出せるカードで、場に残ることで様々な効果をもたらします。
で、この稲妻は場に残るタイプのカードのうち、体力(に似た概念を持つ)全てを対象にとり、ダメージを与えることができます。いわゆる「除去カード」としても使えますし、プレイヤーに飛ばすことで「直接火力」とすることもできます。プレイヤーの初期体力は20点ですから、これを7発撃てば勝てるわけです。むろん、原則として同名カードは4枚までしかデッキに入れられませんが。
このカードの革新的だった点は「プレイヤーを対象にとれる点」です。これには大きく二つの効果があります。一つは、除去として腐る場合にも使い道ができるというものです。相手がクリーチャーやプレインズウォーカーを全く採用していないと、普通除去カードというのは使い道が生まれません。でもこの稲妻ならそんな相手自身に打ち付けることができます。絶対に腐らないカードであると言えますね。
もう一つは、「バーン」という戦略を生み出した点です。バーンとは、手札から出せる直接火力のみを用いて相手を倒すことを基本に置く戦術です。相手からしてみれば、見る見るうちに自分の体力が削られ、防御手段も少ない戦術であるわけです。カードゲームはクリーチャーの戦闘が主軸に置かれていることがほとんどです。つまり、「バーン」という戦略は非常に異質なものであります。それを生み出すことができたのは稲妻のパワーが適正かつエキサイティングなものだったからでしょう。
ただ、稲妻は「パワー9」ではないものの、現代のカードと比べると少し強すぎます。現在では、同様のコストを持つ「ショック」というカードが稲妻に取って代わっています。
ショック マナコスト:(U) インスタント 効果:{クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。ショックはそれに2点のダメージを与える。}
稲妻の調整版ともいえるカードで、ダメージが2点になっています。実際、3点は少し強すぎます。理由を説明すると大変なのですが、簡単に言えば除去として幅が広すぎるためです。
体力が3のカードというのは大体3コスト相当にあたります。となると、稲妻に1コスト支払うだけで3コストのカードを除去できるわけですから、差し引き2マナ得していることになりますよね。この点が強すぎると判断され、稲妻は「スタンダード」と呼ばれる最もベーシックな遊び方では使えなくなっています。
今日はこの辺で。ではまた!
コメント