現代錯誤 正義マンの作り方

 こんばんは。久々の二週連続更新とはなりませんでした。現代錯誤のお時間です。

 正論について皆さんはどう思われますか?正論の辞書的な定義は「道理の通った正しい意見」なわけですから、正論を言うことは間違いとはならないはず。ですが世の中では、正論を言うことに対しての議論が存在しています。それはなぜでしょうか。

 一つの考え方として、正論の伝え方の問題があります。正論というのは正しいもの。否定される道理はそこに存在するはずありません。つまり、好きなような伝え方で論理を展開してもよいということを錯覚させやすくします。結果、あまりに直球な言い方をするなどして嫌悪感を抱かれやすいのでしょう。言い方に問題があるということです。

 また、正論は言い手のストレス発散の道具でもあります。正しいという事実を盾に、物事について「正しければ」好き放題言ってもよいと解釈されがちです。結果、自己満足に終始し、周りに何ら好影響を与えないままに正論を振りかざす人間が孤独に向かっていくわけです。

 そうはいっても、正論は正論です。誰が何と言おうと正しいわけですから、それが周りにどんな影響を与えるのだとしても、とがめられるべきものではありません。理由はただ一つ、それが正しいからです。

 ですから、これを読んだ皆さんも是非、正論を振りかざして下さい。特に今は新型感染症の影響による異常事態ともいえる状況下ですから、今までになされた判断のなかには結果的に間違っていたものも多くあったことでしょう。そうした間違ってしまった判断の一つ一つを、皆で正論を振りかざして糾弾していきましょう。当時いかなる事情があったとしても、結果的に間違っていたのならそれは悪です。後出しじゃんけんといわれようが構わないわけです。徹底的に正しい論理だけで間違いを追及していきましょう!

 さて、自称知識人の皆さんは今頃「貫通錯誤は気が狂ったのか」と思っているのではないでしょうか。客観的にみるとそうかもしれませんが、僕は間違っておりません。なぜなら、現状を鑑みるに僕は100%正しいからです。

 「当時」の間違いを見つけ出し、「現在」の正しさに依拠すれば、一見整合性のとれた、正論を産み出すことができます。そして後世の正義マンは「未来」から「現在」の正論に含まれる間違いを見つけ出し、「未来」の正しさに依拠して、正論を振りかざすわけです。こうして正義マンは拡大再生産されていきます。めでたしめでたし。

貫通錯誤
カードゲームとボードゲーム(ゴールデンエッグラー,mtg,シャドバ,Blade Rondo,自作など)を嗜んでいます。カードゲーム、音楽、動画についてなどと、根強いファンを誇りたいショートエッセーの現代錯誤という連載を書いていきます。
noteでも(ほぼ同じ内容を)公開しています。⇒https://note.com/sakugo_suzuko

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