M:TG 今日の一枚【30】ウルザの物語

追記
モダン環境で猛威を振るっている点について追記しました。

 こんばんは。一日間をあけての投稿となってしまいました。本日のカードはこちら!

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ウルザの物語 土地・エンチャント―ウルザの・英雄譚 効果:{(Ⅰ)ウルザの物語は「(T):(◇)を加える。」を得る。(Ⅱ)ウルザの物語は「(2),(T):『このクリーチャーは、あなたがコントロールしているアーティファクト1つにつき+1/+1の修正を受ける。』をもつ無色の0/0の構築物・アーティファクト・クリーチャー・トークン1体を生成する。」を持つ。(Ⅲ)あなたのライブラリーからマナ・コストが(0)か(1)のアーティファクト・カード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。}

 史上初のエンチャントでもある土地カードです。パーマネントの中では、クリーチャー・土地(ドライアドの東屋)、アーティファクト・土地(親和デッキ全盛期に採用されていた《教議会の座席》サイクル等)がありましたが、未だかつてエンチャント・土地なるカードタイプは存在してきませんでした。

 さて、ゆっくり効果を見ていきましょう。エンチャント土地といってもこのカードは英雄譚です。つまりパーマネントでありながらpermanentではありません。出したターンから数えて3ターン目には生け贄に捧げられてしまいます。

 しかし、その分効果は強力です。出たターンは単なる無色マナしか出せない土地でしかありませんが、2ターン目からは0/0のトークンを出せます。このトークンは「場のアーティファクトの数分、+1/+1修正される」という能力を持っているため、最低でも1/1が保証されているクリーチャーです。1/1よりも大きくなれる、いわば《タルモゴイフ》のような巨大化する生物を実質3マナで生成できるのは強力でしょう。しかも「クリーチャーを生成できる効果」はターン限りで終わらないため、3ターン目の生け贄に捧げられる直前のアップキープにも効果を発動できます。これは2体のクリーチャーを産み出すことが可能であることを意味しています。強い!

 三つ目の効果ではライブラリーからアーティファクトをサーチできます。これで《太陽の指輪》をもってくればマナ失速にはなりません。構築段階から気をつければ弱い効果ではないことに間違いはありません。《トーモッドの墓所》といったような墓地対策アーティファクトなど、普通に使うとカードアドバンテージで損をしてしまうカードも持ってこれますから、便利かつ強力であるといえるでしょう。

 さて、このカードはエンチャントでもあり土地でもあります。メリットとしては、能力の星座が誘発する点や、このカードをプレイしたときに「土地であるために」スタックに乗らない=打ち消されない点などが考えられます。デメリットとしては、エンチャントであるがためにエンチャント破壊に弱い点、自身はエンチャントでありながら、効果はアーティファクトが軸となったものであり若干のシナジーのずれがある点などが考えられます。が、そうはいっても「クリーチャー生成」と「アーティファクトサーチ」を(時間制限付きとはいえ)1枚でやってのけてしまうこのカードの強さは明らかでしょう。モダン環境では《最高工匠卿、ウルザ》を中心としたデッキ等、アーティファクトが主軸となるデッキで採用されるのではないのでしょうか。

追記
MOですでに猛威を振るっています。英雄譚である性質上、スタンダードで《エルズペス、死に打ち勝つ》が《空を放浪するもの、ヨーリオン》で再利用する動きが強かったように使いまわしが可能な点、2章で生成できるトークンが強すぎる点、3章のサーチ能力が安定感を向上させすぎている点、無色のカードであるため《古きものの活性》で手札に加えられる点などが原因です。

エルズペス、死に打ち勝つ
空を放浪するもの、ヨーリオン
古きものの活性

そういうわけでこんなツイートまでなされてしまいました。

ツリーをたどっていただければわかりますが、このカードのデザインに関する反省が製品発売前になされてしまうとは……。

 ではまた!今までの記事はこちらから。

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貫通錯誤
カードゲームとボードゲーム(ゴールデンエッグラー,mtg,シャドバ,Blade Rondo,自作など)を嗜んでいます。カードゲーム、音楽、動画についてなどと、根強いファンを誇りたいショートエッセーの現代錯誤という連載を書いていきます。
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