連載第3回です。
いよいよ今回から化学を学んでいきます。
極力分かりやすく、ササッと読める分量を目指します。
是非コツコツ読んでいただけたら嬉しいです。
始める前に、化学アレルギーへの処方箋#1 化学とは?で説明した、この連載におけるアンダーマーカーの使い方を確認しておきます。
青アンダーマーカーが引いてある部分は重要な内容です。ここだけでも理解していただけたらと思います。
赤アンダーマーカーが引いてある部分はプラスαの内容です。化学アレルギーの方は飛ばしてもらって大丈夫です。
では早速始めていきましょう。
第3回のテーマはこちらです。
世界は何で出来ている?
如何にも化学な話題ですね。頑張っていきましょう!
世界は何で出来ているのでしょうか?
皆さんが今見ている画面、画面を見ている皆さん自身、僕がこの記事を執筆するために使っているパソコン、みなさんが生きる為に吸っている空気、これらは全て同じもので出来ています。
もっと言えば、この世界の全てのものはあるものから出来ています。
それが原子です。
原子は万物の根源と言うことが出来ます。
そして原子と同じくらい大切な存在として元素があります。
元素と原子、どちらも聞いたことくらいはあるんじゃないでしょうか。
しかし、この違いを説明できない人は意外と多いです。
簡単に説明すると、元素は原子の種類です。
ちょっとした例え話で考えてみましょう。
世界の料理はクロワッサン,醤油ラーメン,鉄火巻き,ナポリタンなどで構成されています。これが原子にあたります。
そして、元素とは原子の種類ですから、パン,ラーメン,寿司,スパゲッティなどのことです。
ですから、元素が世界を作っていると言ってもあながち嘘ではありません。
(化学屋からすると若干違和感がある表現ですが、細かい点は無視しましょう。)
さて、元素と原子の違いが分かったところでもう少し詳しく説明していきます。
元素は2020年1月22日現在118種類見つかています。
(元素は原子の種類なのに、元素にも種類があります。これはパン,ラーメン,寿司,スパゲッティなどにあたることを考えたら納得できますね。)
前に話題になった「ニホニウム」もその1つです。
多いと感じるでしょうか?少ないと感じるでしょうか?
この世界は118種類の物質で出来ているんだ!と言われたら驚く人が多いんじゃないでしょうか。
(今後もっと見つかっていく可能性は大いにあります。しかし多くて173種類程度だと言われています。)
なぜたった118種類程度で世界はこんなにも多様なのでしょうか?
1つの理由に、原子がとても小さいということが挙げられます。
(原子と元素がすり替わりました。元素は原子の種類であり、大きさや構造に言及する時には”原子”を使うからです。あまり深い意味はないと思っていただいて大丈夫です。)
原子の大きさは大体1000万分の1ミリメートルです。
意味が分からないですね。
この大きさは、よく野球ボールと比較して説明されます。
野球ボールと原子の大きさの比率は地球とビー玉の大きさの比率と同じです。
つまり「原子を集めて野球ボールを作る」とは「ビー玉を集めて地球を作る」と同じサイズ感です。
こう聞くとたった118種類でも多様な物質が出来ることが理解できるんじゃないでしょうか。
さて、なぜたった118種類しかない元素で世界を構成できるのか、少しは分かっていただけたと思います。
最後に具体的な例をいくつか見てみましょう。
(分量が少ないと思いましたか?そうですね、僕もそう思います。しかし、この連載のテーマは「化学アレルギーの方も化学を学べる」ことです。少しずつ進めていきましょう。)
例えば水は水素という元素と酸素という元素からなります。
水素が2つ、酸素が1つ。世界中にあり触れ、人間が生きていくうえで欠かせない水は、こんなにも単純な構造をしています。
今この記事を読むときも吸っているであろう空気、これは窒素という元素や酸素という元素やアルゴンという元素などの混合物です。
つまり、それぞれ取り出してやれば1つの元素から出来たものを何種類か吸っているということになります。(もちろん2種類以上の元素で成る物質も少量含んでいますが。)
実際に身の回りにあふれていることが元素で出来ていることが分かったと思います。
ちなみに、原子は実際に特殊な顕微鏡を使うことで見ることが出来ます。
(画像は塩の主成分である塩化ナトリウムの結晶の表面です)
如何でしたか?
世界を構成する原子,元素について少しは理解できたでしょうか。
次回は原子の構造、次々回は元素の種類にもう少しフォーカスしていこうと思います。
ササッと読める分量を目指しているため非常に少ない内容となってしまいました。
他の記事頑張って執筆するのでご容赦ください。
次回以降も化学アレルギーに関係なく読んでいただけたら幸いです。
では、終わります。
今回のまとめ
- 万物の根源は原子である
- 元素は原子の種類である
- 原子は非常に小さいため、種類が少なくても様々なものを作り出せる
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